と以前妹が言っていたのを思い出しましたが、嘘です。
栄口君はバトントワラーでも陸上のリレーの選手でもなく、ひぐちアサさんの『おおきく振りかぶって』に登場する野球小僧です。
妹は「バントの鬼」と言いたかったようなのですが、その口から出てきたのは何故か「バトンの鬼」。
他にも「ひじき」を「はじき」と言ったり、「お返し」を「仕返し」と言ったり、20年以上日本に住んでいるとは思えない程、日本語が苦手な妹です(笑)。
何故こんなことを急に思い出したのかと言えば、ついこの間まで高校球児達が炎天下の中、栄冠が自分達に輝くと信じて大会で頑張っていたからです。
野球のルールをよく知らない上にプロ野球を見ていても展開の遅さに一分で飽きてしまっていたので、長年夏の甲子園に見向きもしなかった私ですが、『おおきく振りかぶって』を読んでから、夏の甲子園だけはテレビで観戦するようになりました。
野球って、実はすごい頭脳戦のスポーツだったんですね。
攻める方も守る方も、過去のデータや今日の戦績といったことから互いを分析しながら戦っているということがよくわかりました。
特にただ単にピッチャーのボールを受けているだけだと思っていたキャッチャーが、実は相手選手を研究して配球を組み立てたり、相手の調子や心理を分析しながらチームメイト達に指示を出したりする司令塔であることを知って、世界中のキャッチャーさんにごめんなさい(笑)と思いましたね。
すみません、まともに野球をやったことがない上に、野球漫画を読んだのも『おおきく振りかぶって』が初めてだったので(殴)。
あさのあつこさんの『バッテリー』はもう何年も前に読んでいたのですが(この本で「バッテリー」という言葉を初めて知りました)、小説ではキャラクターの立ち位置や動きがわかり難い上に、野球というスポーツの面白さを書くということに主眼を置いている訳ではないという印象を受けたので、その時は特段野球が見たくなるということはなかったですし。
しかし、漫画も甲子園も「さあ見よう!」と思って見始めても、よくわからないんですよね、専門用語が(笑)。
しかも専門用語には入らないであろう「流す」とか「引っ張る」でさえ、「同じように打ってるようにしか見えん!何が違うんだ!」と弟に説明を求める始末。
弟が結構野球に詳しいので、他にもいろいろと説明してもらったのですが、どうしてもすぐに忘れてしまいます。
確実に覚えたと言えるのは、「バスター」くらいですね。
これは「バントする気満々だぜ!」と見せかけて、実は普通に打つというフェイント攻撃だそうです。
「ぬおおお!そんな技(?)があるのか!」と、ちょっと衝撃を受けました。
未だに「スリーアウトでチェンジ」とか「塁にいる人は基本的に打者がアウトを取られたら進めない」ということくらいしかわかっていない私ですが、『おおきく振りかぶって』のおかげで「ランナーがサードにいる時に打ち上げたボールが取られてアウトになっても、サードランナーはホームベースに向かって走っていい」というルールは覚えました。
ちょっとだけ進歩なので、来年の甲子園までには、もう少しルールを覚えていたいなと思います(笑)。