『野生の島のロズ』
無人島に流れ着いたロズというロボットが、雁の雛の母親となり、子育てに奮闘するというのが大まかなあらすじです。
プログラムを停止して子育てをする中で、いつしか愛を獲得したロズは、親子愛にとどまらないもっと広い範囲に向けた愛を見せてくれて、とても素晴らしい作品でしたね。
動物達はロズを「怪物」と呼んでいたのに、その動物達があまりの寒さで冬を越せそうにないと知るや、ロズは吹雪の中を何度も行き来して動物達を火のある場所へ連れて行き、「みんなで生き延びるために、プログラムを乗り越える必要がある」と語り掛けるシーンは、ロズがロボットであるが故にとても心に響きました。
ロズの思いに応えた動物達が互いに手を取り合うだけでなく(草食動物のみんなはともかく、肉食動物のみんなは何食べるつもりなんだろうと野暮なことを思ったりもしましたが)、ロズのために戦ってくれるシーンもあって、胸が熱くなりましたね。
「愛とは特定の誰かに向けるだけのものではなく、もっと多くの人にも向けるべきもの」というメッセージが作品全体から感じられて、とても温かかったです。
旅を終えて、すっかり成長して戻って来た雁の息子とロズのやり取りは紛れもない「親子」でしたし、とても愛を感じました。
お客さんはファミリー層が多かったですが、大人が観ても十分面白かったですし、たくさん泣けましたから、興味のある方は是非映画館まで足を運んで頂けたらと思います。
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