貴方は支配者たるに相応しく、けれど支配者たろうとはしない
「M/K/L F/A/C/T/O/R/Y」のL/i/n/n/1/0/7さんに「嬢(私の渾名)が好きそうな人がいるから読んでみて!」とお薦めされていた五條瑛さんの本を最近ぼちぼち読んでいます。
何でもその方は「黒髪で美形で圧倒的な存在感で、同性に薔薇の花束をプレゼントするようなセンスの持ち主」だそうで、「すっごい素敵なセンス!」と笑いながらいつか読んでみようと思っていたのですが、何分どの本に出演しているのかわからなかったので一冊目は空振り、二冊目で「ああ、多分この人だな」という方を漸く発見できました。
Linnさんの予測通り、「わー、この人大好きだー」と思いました(笑)。
本名かどうか甚だ疑わしいですが、サーシャさんという男性で、こういう言い方も何ですが、私の好みの要素を詰め込んだ魔王にちょっと似てました。
まず容姿が好き過ぎます。
黒髪に特別な思い入れがある訳でもありませんが、肩まで伸びた綺麗な黒髪に白皙の美貌。
雰囲気がとにかくゴージャスかつミステリアス。
いかにも育ちが良さそうで、身に着けているものは全部高級品ときています。
ここまでの贅沢をしたいとは間違っても思いませんが、贅沢な物に囲まれても見劣りしないその気品や美しさにはときめきを覚えますね。
私にはとても無理なので(笑)。
サーシャさんは内面も私の好みで、何を考えているんだかよくわかりませんが、とにかく大きなことを考えていて、その目的のためには手段は選ばない非情なところとか、他者や物に対してほとんど執着せずにふらっと現れて、人を魅了するだけしてふらっといなくなってしまう冷酷な自由人ぶりが素敵です。
そして何故か行動がおかしいところが笑えます(笑)。
暗い部屋で後ろから目隠しして男の人にソルダム(プラムのような味のフルーツだそうです)を食べさせてあげるって、絵としては綺麗で妖しくて心が波立つ感じですが、「電気ぐらい付けて待ってたらどうですか!」とか「ソルダムなんて珍しい(私が知らなかっただけで意外とよく食べられているのでしょうか)フルーツ、わざわざ取り寄せたんですか!しかもそれを予め手に持ってずっと待機してたんですか!食べさせてあげたいなら普通に切ってお皿に盛り付けて出せばいいでしょう!」とかいろいろツッコミを入れたくなってくるのは私だけでしょうか。
思わず吹き出しそうになったものの、外だったので何とか堪えましたが、薔薇の花束なんて贈られた日にはもう笑うしかない気がします。
気付けば何だかサーシャさんのことしか言ってなくてすみません(笑)。
取って付けたようではありますが、物語自体も日本や外国のいろいろな問題が描かれていてとても読み応えがあり、特に移民の方々の生活が描かれていたのが大変新鮮で興味深かったです。
私は一応帰国子女なので、そのことで多少嫌な経験をしたこともあるのですが、同じ日本人でさえこれなら外見的に日本人と言われる特徴から外れる方はさぞかし大変な思いをされていることでしょう。
受け入れるための制度が不十分なら、最低限対人関係においてだけでも気持ち良く暮らして行けるだけの環境を整えられたらいいと思うのですが、人間というものはいろいろと難しいですね。
せめて外国の方に対して差別や偏見なしに接しようと個人的に務めているのですが、以前ハーフの方に「(顔立ちが)彫りが深くていいですね」と言ったら、「そんなことないですよ。自分の顔嫌いなんです」と言われてしまって、もしかしたら傷付けてしまっただろうかと反省しました。
私は誉めたつもりだったのですが、よく考えてみれば確かに当人がそれをポジティブに捉えているとは限らないんですよね。
外国の方や外国人的特徴を備えた方に接する時に限った話ではありませんが、やはり言葉には細心の注意を払うべきなのだなあと実感した次第です。
特に外見的特徴については触れない方が無難なのだろうと思いますが、何分思慮が足りないものでその内うっかりまたやりそうな気がしますね。
気を付けようと思います。
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