私は女です
機械が苦手な人が多いせいか、巨大ロボット物を楽しんで見る女性は少ない気がしますし、私自身も別に戦闘用ロボットを見てかっこいいなあとテンションが上がったりする訳でもないのですが、ロボットに使われている理論等を知るのは好きなんですよね。
作者さんの個性が出るので、見比べてみるといろいろ面白いですし。
魔法の設定なども面白いと言えば面白いのですが、自分が文系なので、理系な感じのするロボ理論の方がより興味深いです。
まあ、ロボット物に出てくる理論って、理系全開と言うよりはそれっぽい雰囲気を楽しんでいるだけといったパターンの物が多いですが(だからこそ文系の私でも楽しんで見られる訳です)。
もう何度も言っている通り文系なので、理系のことは本当にさっぱりなのですが、自分に理解できないからこそ憧れてもいまして、アミール・D・アクゼルさん著・吉永良正さん訳『天才数学者たちが挑んだ最大の難問 フェルマーの最終定理が解けるまで』等、理系学問の歴史を紐解いて感動できるクチですよ。
昔、とある少女漫画家さんが「機械が苦手だから、ちょっとでも機械が出てきそうな漫画は読まない」というようなことを書かれていましたが、私は寧ろ逆で、機械に疑似的に関わりたがっているのかも知れません。
何しろ車の運転も上手くできないくらいですから、あれだけ大きなロボットを自在に操れたらさぞ気分いいだろうなあと思いますしね。
さて、巨大ロボット物と言えば往々にして舞台が宇宙だったりするので、宇宙がどのように描かれているかを見比べて見るのもなかなか楽しいです。
水野良作さん原作の『スターシップ・オペレーターズ』というアニメ(ちなみにSFですが、巨大ロボット物ではありません)では、宇宙空間で戦艦等が沈む時に「ドカーン!」という爆発音がしないという、「宇宙空間は真空だから音がしない」という基本的ですが、大概無視される事実を踏まえたリアルな描写があって、感心しました(もしかしたらアニメ製作者の方がそのように演出しただけで、原作ではそのような描写はないのかも知れませんが)。
とはいえ、重力を完全無視して戦艦を急速旋回させまくるシーンなどもあったので、全般的にリアルな出来という訳ではないのですが。
あれ、実際にやったら中にいる人ぐちゃぐちゃですよね…(怖)。
ロボットが爆発する時にドカーンと音はしますが(原作を読んでいないので、アニメ限定かも知れませんが)、リアルさという点では今放送中の『シドニアの騎士』はなかなかではないでしょうか。
ガウナと呼ばれる宇宙怪獣的なものが自らが破壊した機体を使い、反作用の法則を利用して攻撃を避けるシーンを見て、「きっとこれを描いてる人は、宇宙が凄く好きな人なんだろうな」と思いました。
5Gの重力が掛かった状態ではまともに喋れないだろうとか、ツッコミどころは勿論ありますが、それも漫画として面白くすることを優先した結果なのでしょう。
この、「勉強不足な訳ではなくて、面白さのために敢えて無視している」んだろうなと思わせてくれるところがいいですね。
こういう愛を感じさせる作品にまた出会いたいものです、はい。
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