斬~KILL~
調べたら2008年の映画でしたが、今日初めて観ました。
アニソンをよく歌っておられるMELLさんの「KILL」が主題歌に使われていたので、映画自体は知っていたんですけどね。
ちなみに、観た理由は「無料で観られたから」です(笑)。
この映画、『攻殻機動隊』等を手掛けた押井守さんが総監督を務めたオムニバスもので、チャンバラさえあれば後は各監督さんが好きにしていいというお約束の元に撮られたようです。
押井さんの作品は総監督らしくトリだったのですが、私には「?」の1文字しか浮かびませんでした。
『攻殻機動隊』は最初のシリーズ以外は大体見ていたりするのですが、基本的に説明がないままガンガンストーリーが進むので、何がどうなっているのかよくわからず、ほとんどキャラクターしか印象に残っていません。
個人的に作中で一番印象深かったのは、「タチコマ」というやどかり風のロボットが仲間の頭をぱかっと開けて、「僕ら脳無し!?」とショックを受けるシーンです。
思わず笑ってしまうくらいユーモラスでしたが、『攻殻機動隊』はこういう感じで基本的にキャラクターくらいしか覚えていませんね。
1回見ただけではとてもストーリーの把握ができないので。
今回の映画における作品も同様で、私には戦う綺麗なお姉さん達の印象しかありません。
ファンの皆さんにとってはあのストーリーの難解さがいいのかも知れませんが、私にはちょっと取っ付き難く思えます。
ちなみにこの映画は4本立てだったのですが、深作健太監督の『こども侍』が一番面白く観られました。
一世を風靡した「こども店長」よりちょっとお兄さんくらいの、武家の家の小学生が主人公の話です。
もう刀を抜くまいと決めた少年が卑劣なクラスメイトに妹を人質に取られ、妹を助けるために再び刀を抜くという、どこぞで見たようなストーリーなのですが、ランドセルを背負った小学生がひたすら時代劇みたいな口調でやり取りしているだけでなかなか愉快です。
「せっかく同じクラスになったんだし、一緒に駄菓子屋にでも行かない?」「ごめん、放課後は用事があるんだ。また今度ね」という小学生らしい会話が、「同じクラスになったのも何かの縁。よろしければこれから駄菓子屋にでも行って、親睦を深めませぬか?」「お誘いは嬉しいが、放課後は所用がある。またの機会に」(細かいところは違うと思いますが、大体こんな感じです)という風になる訳で、違和感が半端ではありません(笑)。
弁士による軽妙な語りもなかなかいい味を出していましたし、正統派なチャンバラもなかなか見事でしたよ。
「目を閉じていなさい。兄は今から武士となる」とか「寄らば、斬る!」とか宣言する主人公の少年が、小学生ながらにカッコ良かったです。
こんなにカッコいい小学生は、宮部みゆきさん原作の劇場版『ブレイブストーリー』に出てくるミツル君という魔法少年以来ではないでしょうか。
将来有望そうなこども侍君ですが、あんなにバッサバッサクラスメイトを斬り捨てていいんですかね(汗)。
せめて峰打ちくらいにしておいてくれているといいのですが、宿敵のクラスメイトに「お主は斬らぬ」とか言っていた気がしますし、多分ばっさりやっちゃっているのでしょう。
武家の子、子供とはいえなかなか恐ろしいです。