個人的には吹き替え派
先日mixiニュースで、洋画の吹き替えに本職の声優さん以外の方を起用することに関してファンの皆さんから怒りの声が上がっているというような記事を見ましたが、個人的には字幕より吹き替え派なので、心の中でうんうん頷きながら読んでいました。
声優さん好きの人間としてはやはり美声を聞きながら映画を楽しみたいですし(笑)、台詞が棒読みだったりすると興醒めですしね。
まあ、お笑い芸人のアメリカザリガニさんなどは『ボンバーマンジェッターズ』や『夏目友人帳』といったアニメで本職の声優さんに混じっても違和感のない演技をされていましたし、「本職の方でないと絶対嫌!」という訳ではないのですが、せめてアメリカザリガニさんレベルはないと厳しいなあと思います。
話題作りも大切なのでしょうが、見る方としてはやはりきちんと実力が伴っていて欲しいものですよね。
字幕だったらこういう問題は起こらない訳ですが、字幕は字幕で訳が下手だと興醒めなので、そういう点でも日本語として自然なやり取りが聞ける吹き替えの方が好きです。
尤も大抵文字を目で追うのに精一杯なので、英語はあまり耳に入っていないのですが、吹き替え版と字幕版を見比べてしまったりすると、字幕の訳には首を傾げたくなることが度々ありますから。
以前『天使にラブソングを2』の吹き替え版をテレビで見て、その後字幕版を見たのですが、やはり吹き替え版の方が訳が好きな感じでした。
メアリー・クラレンスというシスターが同じくシスターのメアリー・ロバートに「自分を助けてくれたように、ある女の子を助けて欲しい」と言われた後に口にする台詞なのですが、吹き替え版は「だって、あんたは特別だもん」だったのに対し、字幕版は「タイプが違うわよ」だったので。
字幕版の方が原語に忠実なのかも知れませんが、翻訳って必ずしも忠実に訳す必要ってないと思うんですよね。
『FFⅩ』でヒロインのユウナちゃんが消えゆくティーダ君に背を向けたまま「ありがとう」という台詞は、英語版だと「ここでThank youというのは変」という理由で「I love you」になったそうですが、そんな感じで多少の脚色と言うか、ストーリーや設定を逸脱しない程度により自然な訳になるよう、多少手を加えるのは大歓迎ですし、そこが訳者の腕の見せ所なのではないかという気がします。
翻訳された文章(特に物語)は、文章としては問題がなくても上手く日本語に訳せていない部分を感じてしまうのか、神経に爪を立てられるような不快さがあってあまり好きではないのですが、松岡佑子さんの『ハリーポッター』はその不快さが全くなく、個人的には名訳だと思っています。
あれくらいの訳をどの字幕でも読めるなら字幕もいいかなあと思いますが、吹き替えには訳の自然さに加えて声優さん達の美声が聞けるというメリットがあるので、やはり吹き替えの方がいいですね。
是非、これからも良い吹き替えを作って行って頂きたいものです。