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一文字足すと鎧武者

かの虚淵玄(うろぶちげん)さんが仮面ライダーの脚本を手掛けていらっしゃるということで、『仮面ライダー鎧武(ガイム)』を見始めました。

虚淵さんと言えば暗い話を書かれることで有名で、シリーズ構成に参加した『BLASSREITER』というアニメなどは心優しいお兄さんが移民であることを理由にひたすら迫害されまくったりするのが見ていて大変辛く、見るのをやめようかと思いつつも何とか最後まで見ましたが、最終回を迎えた時に寂しくなるどころか「これ以上酷い目に遭う人を見なくて済む」ことに安堵すら感じたものです。

そんな作品は後にも先にも『BLASSREITER』しかありません。

が、流石に仮面ライダーには手加減されているようで、今のところ理不尽なまでのキャラいじめは見受けられませんね。

幼い頃に両親を亡くしてお姉さんと二人暮らしで、バイトで生活費を賄っていたりする辺り、主人公君はなかなかの苦労人な筈ですが、お馬鹿さんキャラなせいか、あまりそういう感じがしません。

発想がまるで小学生なので(笑)(ちなみに彼の年齢は20歳だそうです)。

変身ベルトをゲットして、「これで凄いことができるだろう」とバイト先で変身して2度も失敗した挙句、「上手く行かなかったのは、この力を自分のために使おうとしたからなんだ」と論理的に飛躍しまくった結論に辿り着いてみんなのために戦うことを決意するエピソードなどは、彼のお馬鹿さんぶりと優しさがよく表現されていたと思います。

こんな20歳はまずいないと思いますが、多分見ている子供達に合わせて精神年齢を下げているのでしょうね。

正直「おいおい」と思うことも多いですが、失敗したりお姉さんに怒られたりした時には、ちゃんと自分なりに何がいけないのかいろいろ考えていますから、最終回を迎える頃には随分成長した彼を見られるのではないでしょうか。

「仕事って言うのは、知らない誰かの役に立つことよ!」等、名言メーカーのお姉さんもいることですし、素晴らしい感動を提供して頂けるのではないかと、個人的には期待しています。

とかく暗い話のイメージが強い虚淵さんですが、その気になれば『魔法少女まどか☆マギカ』のように残酷な真実に打ちのめされても負けないで頑張る女の子達の感動的なストーリーだって書ける方なので。

それはさておき、『仮面ライダー鎧武』の作中では仮面ライダーは「アーマードライダー」と呼ばれていて、2話目で鎧武を初めて見たDJさんが「アーマードライダー」と呼んだのが呼び名として定着したのですが、その時鎧武が何にも乗っていなかったように見えたのは私だけでしょうか。

変身スーツが鎧っぽいので、「アーマード」はまだわかるのですが、鎧武がちゃんとバイクに乗ったのは3話なので、DJさんに先見の明があり過ぎるような(笑)。

作る方も見る方も「鎧武が仮面ライダー」という共通の認識があるので、誰もおかしいと思わなかったのかも知れませんが、ちょっと気になりました。

おかしいと言えば、何故かコンセプトが「戦国武将とフルーツ」だそうなので、変身の時に降ってきたフルーツが一時的に頭にくっ付いて「オレンジマン」やどこぞのお笑い芸人さんよろしく「バナナマン」になるのですが、鎧武ってライダーシリーズの中でもお笑い路線を狙ってるんですかね?

最早かっこいいと言うより面白いヒーローになっているのではなかろうかと思いますが、たとえ変身時の姿がどんなものであろうとも敵をばしばし倒すその姿は、少年達の心の目にちゃんとかっこよく映っているのかも知れません。

寧ろそうであって欲しいと思います。

子供が正義のヒーローをかっこいいと思えないのは、結構不幸な気がするので(笑)。
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