デュラララ!!
以前アニメ化もされた作品で、2期も決定した人気作です。
1巻を読む限りアニメはほぼ原作通りに進んでいましたが、アニメを見たのが随分前で細かいところを忘れていたため、初見に近い感じで楽しんで読めました。
池袋を舞台に繰り広げられる群像劇なのですが、学生さんから裏社会の皆さん、果てはデュラハンと呼ばれるファンタジー存在といった人々が持っている情報が少しずつ明らかになって行って、ストーリーの全体像が見えてくるという構成は面白いですね。
基本章ごとに視点が変わるので、多分初めて読む人は最初は何をやっているんだか、話が進んでいるのかどうかもわからないような感じだと思いますが(笑)。
ごく平均的な男の子がいるかと思えば、身体能力が異常なまでに高い人がいたりして、世界観がどうなっているのかよくわからないところもありますが、バトル物の少年漫画みたいなものだと思えばいいのかも知れません。
記憶にある限り、アニメでは悪意の塊のような折原臨也(おりはらいざや)さんというお兄さんのモノローグが一切なくて、何を考えているんだかよくわからず、余計に不気味な印象になっていた気がしますが、原作だと彼の視点で物語が進むところもあって、「ああ、この人はこういう人だったんだなあ」と理解が深まり、共感はできませんが、納得はしました。
先程臨也さんのことを悪意の塊のような人と書いたものの、その実彼は人間に対して歪んだ愛情を抱いているので、必ずしも悪意で動いている訳ではないようなのですが、平気で人を殺したりできる手合いですから、やはり油断ならない感じですね。
そんな彼の「人、ラブ!」という台詞が非常に胡散臭くてイラッとしましたが、少し前に『シドニアの騎士』で主人公君の口から似たような台詞を聞いた時には好感度が急上昇したのとは対照的で、「人間性の差でここまで印象が違うんだなあ」と、ちょっと遠い目になりました(笑)。
あれはあれとして味のあるキャラだと思いますが、どうしても好きになれない感じです(ファンの方ごめんなさい)。
ちなみに、この作品で私が一番好きなのは平和島静雄(へいわじましずお)さんという超が付く程短気なお兄さんなのですが、その静雄さんの天敵が臨也さんなので、余計に好きになれないのかも知れません。
静雄さんと正反対のタイプが臨也さんですし。
この先2人の因縁がどうなっていくのか気になりますし、まとめて5冊買って来ているので、続きも読んでみようと思います。
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