『ユーリ!!! on ICE』
男子フィギュアスケートを描いた物語なので、細かいルールや選考及び採点のシステムを知らない私にとってはよくわからないところもあるのですが(説明があっても一度では覚えられない物覚えの悪さなもので(笑))、それぞれのスケーターで持ち味が違っており、演技に見応えがあって面白いですね。
主人公の勇利君はプレッシャーに弱い反面、期待されないアウェーでは強さを発揮できるタイプで、スタミナを活かして疲れてくる後半にジャンプを持ってくることで、高得点を狙うというのが基本的なスタイルのようです。
ひょんなことから憧れのトップスケーターだったヴィクトルさんがコーチに付いてくれることになり、二人三脚でグランプリファイナル優勝を目指すことになるのですが、いきなり「エロス」をテーマに滑ってみろと言われて彼女がいたことすらないだけに苦悩しつつも、「女性を次々に籠絡する色男ではなく、色男に籠絡される女性になり切る」という逆転の発想で見事観客を魅了する演技を披露したりする発想の柔軟さがいいですね。
「エロス」=「正常な判断ができなくなる」と解釈し、「自分にとってそれはカツ丼だ!」ということで、「カツ丼」をイメージしながら練習していた独特の発想が非常に印象的でしたが、「もっと卵を絡めるように!」というアドバイスが反って分かり難く思えたのは私だけでしょうか(笑)。
食欲と性欲は人間の三大欲求の一つですから、結び付かないこともないのかも知れませんが、想像力が貧困なもので「卵を絡めるような滑り」が全くイメージできません。
スケーターの方って、想像力豊かなんですね。
羨ましいです。
スケートのように全身を使って表現することありませんが、小説もやはり感情を物語に寄せていくことが大事なのだとこの一年で実感しましたし、何かを表現する時には想像力は勿論感情のコントロールが欠かせないものなのでしょうね。
ユーリ君が最後にどんな滑りに到達するのか、あと僅かですが今後とも興味深く拝見しようと思います。
PR