主には読書について
遠方にお住まいなので、なかなかお会いできませんから、久し振りにいろいろお話出来て楽しかったです。
しかも、お土産にクロワッサンまで頂いてしまいました!
きなこがまぶされていたり、中にあんこが入っていたりと、ちょっと変わっていて美味しかったです。
どうもありがとうございました(ぺこり)。
創作のことや読んでいる本のことなど、取り留めのない話を随分としましたが、中でも「『フランダースの犬』はいい話か」についてはかなり盛り上がった気がします。
世間では名作なんて言われてますが、しかしあれって本当に名作なんですかね?
原作をきちんと読んだ訳ではないので恐縮なのですが、しかし善良で絵の才能もある少年が、報われることなく酷い目に遭って死んでしまうというあのオチがどうしても納得できません。
「世の中なんてそんなもんだよ。頑張っていたり、才能があるからって報われるとは限らないんだよ」という人の世の世知辛い一面を否定するつもりはありませんが、私だったらあの作品を人に勧める時に「いい話」とは絶対に言いませんし、最後が「感動のラストシーン」なんて言われていたりするのはちょっと違うんじゃないかなあと。
無理矢理感動できそうなポイントを挙げるなら、「誰も恨んだり憎んだりせずに死んだネロの心の美しさ」なのだろうと思いますが、あれって感動すると言うより寧ろただ悲しくなる感じではないでしょうか?
大人だって酷い目に遭った挙句に死んでしまうのは見ていて辛くなりますが、それがまだ大人程強くない子供だと余計に悲しく思えますし。
キリスト教徒の人だったら、「美しい心のまま死ねたネロが天使と共に天に昇って行った」というあのラストシーンはある意味で相当なハッピーエンドに解釈できるのかも知れませんが、真の名作というのは宗教や国籍を越えた人間の普遍的な部分に訴えかけるものだと思うので、ファンの方には申し訳ないですが、やはり「名作と呼ぶのは違和感があるよねえ」というところに落ち着きました。
あと、アレフレッド・ベスター氏の『虎よ、虎よ!』があまり面白くなかった(すみません!)ということでも、さくらさんと意見が一致しましたね。
さくらさんは『STAR WARS』シリーズを七十回くらいは見ているという熱心なSFファンで、「小松左京賞受賞作は結構読みました」程度の私ではとても太刀打ちできないレベルなのですが、やはり『虎よ、虎よ!』も読破済みでした。
「世界観は良かったけど、キャラに感情移入できない! 最後の共感覚的描写が意味わかんない! そうだよね! うん! わかるわかる!」な感じだったのですが、さくらさんが言うにはあの作品がいいと言う方はあの共感覚的描写がいいと感じるらしいですね。
「一番いいところをいいと思えないんだから、面白いと思えなくても仕方がないな」と、深く納得しました。
さくらさんは結構な読書家なので、なかなかためになるお話がいろいろと聞けましたが、一番の収穫は『ゲド戦記』で有名なアーシュラ・K・ル=グウィンさんのSF小説をオススメされたことですね。
ファンタジーのみならずSFまで書かれているとは知らなかったのですが、『ゲド戦記』は最初の三冊(方向性が変わった四冊目の途中で挫折しました)はとても面白かったので、今度読んでみようと思います。
ありがとうございました!
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