『トクサツガガガ』
特撮オタクのOLさんである仲村さんが、日々オタクだとバレそうになるピンチや自分の弱さと戦い、特撮ヒーローの励ましを(妄想上で)得ながら、ピンチを切り抜けたり、いいことをしたりしていくというストーリーなのですが、毎回一回は笑ってしまうシーンがあって面白いですね。
個人的には流行りの歌が歌えないのに同僚の人達とうっかりカラオケに行ってしまい、オタバレしそうになりながらも特撮ソングをセレクトして、「本当は全部歌えるのに、敢えてテレビで流れていたところしか歌わない!」とか「ちょっと早口で難しいところは上手く歌えない感じで誤魔化す!」とかいろいろな技を駆使して、妄想上でカラオケ怪人(こんな名前でしたっけ?)を撃退したエピソードが一番笑えました。
「何という完璧な擬態だー!」と仲村さんの見事な非オタク女子への擬態に完敗した怪人に、「実は特撮ソング以外も歌えるなら、わざわざ特撮ソングを歌わなくても良かったんじゃないか」とツッコまれていた仲村さんが「欲が出たのよ」と倒れた怪人を前に真顔で独りごちていたのが最高でした(笑)。
好きな歌って歌いたくなりますよね。
わかります、その気持ち。
弟がいたこともあり、特撮ヒーローはジュウレンジャーとウルトラシリーズ(『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』少々と、名場面集を集めたような内容のものだけ)と、仮面ライダーシリーズ(クウガ(途中まで)、電王、鎧武)と牙狼シリーズ(初代、『炎の刻印』以降はアニメ版含めて大体見てます)とそこそこ見てきたものの、特撮は取り立てて好きなジャンルという訳ではないオタクの私ですが、特撮オタク以外の人が見ても共感できるところがいろいろあって、そういうところもいいですね。
特に「特撮は『子供達に優しい大人になって欲しい』というメッセージが込められてるところがいい」というモノローグには、「わかる!」と思わずにはいられませんでした。
児童文学もそうなのですが、愛や友達や今を生きることの大切さといった、人にとって大事なことがきちんと描かれているところがいいですよね。
仲村さんは「大切なことは全部特撮が教えてくれた」とモノローグで語っていましたが、私の場合は「漫画や小説が教えてくれた」感じです。
ドラマの中のオタクさん達のように、オタクであることに後ろめたさを覚えてしまう人もいると思うのですが、好きなものは人それぞれなので、みんなが年齢や性別を気にせず、堂々と趣味を楽しめたらいいですよね。
仲村さんが小学生の男の子と特撮の話をしているのを見て、「二十歳近く年が違うであろう少年と話が合うなんて、特撮っていい趣味だなあ」と思ったのは私だけでしょうか?
特撮に限らず、人と語り合える好きなものがあるって、とてもいいことだと思います。
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