『ガイコツ書店員 本田さん』
一話十五分程度のショートアニメなのですが、主人公の本田さん始め、何故かまともな人間のビジュアルをした人が誰もいない書店員の皆さんの日常がコミカルに描かれていて面白いです。
「外国のコミックは日本の物よりいい紙を使っている上に、ページも多いから重くて、日本のコミックと同じ感覚で持つと腰をやられる」とか、「とにかく本をアピールしたい出版社の営業さんと実際に本を売る書店員さんの間では、仁義なき戦いが繰り広げられている」とか、今まで知らなかった書店のお仕事についていろいろ知ることができて、とても興味深いですね。
一番びっくりしたのが「オススメの本はありませんか?」と訊いてくるお客さんが結構いるというエピソードで、欲しい本を決めた上で在庫の有無を尋ねたことしかない私にとっては、目からウロコが落ちる思いでした。
「どうするんだろう?」と思いながら見ていたら、一旦バックヤードに引っ込んで、同僚の皆さんにお客さんの性別、年齢、探している本の傾向をざっと説明してアイディアを出してもらっていましたが、すらすらと本のタイトルが出てくる辺り、やっぱり皆さん本好きなんだなあと親近感が湧きましたね。
実際ああいうお客さんが来たらかなり困ると思いますが、何だか大喜利みたいで、ちょっと楽しそうだなあとも思いました(笑)。
先日原作者の方(実際書店員さんらしいです)のインタビュー記事を読んだところ、「対応に困るお客さんは二割くらいで、ほとんどのお客さんはレジでお会計して帰るだけの普通のお客さん」みたいなことが書いてありましたが、アニメを見ている感じだと、その二割のお客さんがかなり強烈みたいですね。
本田さん達が毎回接客で苦労する姿を見ていると、「書店員さんに限らず、お店の人にはできるだけ迷惑を掛けないようにしよう。寧ろ親切にしよう」と思わずにはいられません。
全世界の接客業の皆さん、お疲れ様です!
そしていつもありがとうございます!
いつも接客で大変な思いをしている本田さんですが、楽しんでPOPを作ったり、昔を懐かしみながら嬉しそうに本を買って帰っていくお客さんの姿を見て感慨に耽ったりしているのを見ると、本好きな方にとってはやはりやり甲斐のあるお仕事なのでしょうね。
今時は閉店してしまう書店も多いですが、できれば書店はなくならないで欲しいなあと、このアニメを見て改めてそう思いました。
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