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さよなら 二度とは会えない貴女

高校時代の文芸同好会の同期が亡くなりました。

今年のお花見の時に「障害年金を受け取れることになった」と聞いていたので、この先ずっと障害と上手く付き合いながらやって行くものとばかり思っていたのですが、事は私が思っていたよりずっと深刻だったようです。

しかし、あまりにも早過ぎる別れでした。

生きている以上、いつかはこんな日が来るとは思っていましたが、まだまだずっと先のことだと思っていたのに……。

ですが今思うと、去年の忘年会で「自費出版で本を出した」と話していた彼女は、自分の命がもう長くないことを知っていたのかも知れません。

最後に自分が生きていた証として、何か残そうとしたのかも知れません。

が、そんなことを想像すらしていなかった私は、文芸同好会仲間の一橋さんから訃報を知らせるメールが入った時に「はあ!?」しか言えませんでした。

あんまり意外すぎて、何かの間違いではないかと思わずにはいられなかったんですよね。

私は父方の祖父を中学生の時に亡くしているので、こういう経験は初めてではないのですが、その時も咄嗟に「え……?」しか言えなかった記憶があります。

何度経験しても、こういう時は本当に言葉に困ります。

 

 

昨日今日とお別れの会と旅立ちの会が催され、私は後者にだけ出席したのですが、父方の祖父は遠方に住んでいたため、こういう会に参加するのは初めてでおっかなびっくりでした。

とりあえず大きな失敗はしませんでしたが、喪服がなかったのでスーツ姿だったり、黒ストッキングを用意するのを忘れて肌色のストッキングだったりと、細かいところで駄目さ加減が出ていた気がしますが、私なりに礼を尽くしてお見送りをしてきたつもりです。

しかしネットでお焼香の仕方は調べて行ったのに、献花のことがすっかり頭から抜け落ちていたので、一橋さんに「お棺にお花を入れるアレだよね?」と確認したりはしましたが(笑)。

冠婚葬祭のマナーって難しいです。

意識するのは時々ですしね。

話が逸れましたが、旅立ちの会の会場は正面の壁一面に様々なお花が飾られ、中央には彼女を納めたお棺と素敵な遺影が飾られていました。

左右の壁の辺りには彼女のこれまでの軌跡がわかる写真や彼女にまつわる品々もあって、不謹慎ながら以前テレビドラマなどで見た光景をだぶらせていた不届き者な私です。

その手のシーンで泣いた覚えがないので、お葬式に行ってもきっと泣かないだろうと思っていたのですが、当事者になってみるとそうでもないということがわかりました。

お父様のご挨拶ではまだ耐えられたのですが、中学時代からのお友達の弔辞には泣きました。

彼女、私より文才があると思います。

 

 

お焼香の後、献花の時に彼女にご挨拶させてもらったのですが、その顔が眠っているだけのように綺麗でびっくりしました。

10年近い付き合いだった愛犬の死に顔がとても苦しそうだったので、死というのはとても苦しいイメージが強かったのですが、彼女はきっと眠るように穏やかに逝けたのでしょう。

そんな彼女にお花を手向けながら、「良かったね。綺麗なお花がたくさんだよ」と話し掛けていたお母様や、持参したメッセージカードをそっとお棺に入れていた友人達の姿がとても印象的でしたね。

お花を一通り入れた後に折り鶴や手紙もお棺に入れて、みんなで一緒に蓋を閉めました。

それから出棺を見送って帰ってきた訳ですが、私なりに彼女のお弔いをしようと、帰りがけに缶チューハイを2本買ってきたり。

世の中のしきたりに従っただけだと、どうも何か違う気がするんですよね。

彼女はお酒にそれ程強くなくて、お花見の時に酔っ払って寝ていたりしましたが、どうせこの手のものは自己満足だろうと、1本だけ開けて彼女の分の缶チューハイに軽くぶつけてみました。

どこぞのアニメでこんなシーンを見たような気がしますが、もう何だったか思い出せません。

どうでもいいことですが。

今はただ彼女の安らかな眠りを祈るばかりです。






 

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