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昔の人が詠んだ歌って、風情がありますよね

今高田崇史さんの『QED 百人一首の呪(しゅ)』というミステリー小説を読んでいるのですが、タイトルそのままに百人一首が題材で、国文学を学んでいた大学時代を思い出しました。


とは言っても別に百人一首に詳しい訳ではなく、確か必修だった講義の一つに百人一首があったという程度なので、「百人一首の歌は駄作が多い」とか「百人一首の歌の順序にはちゃんとした理由があるらしい」という件に関しては「勉強になるなあ」と思いながら読んでいたくらいですけどね。

国文学出の割に文学的素養が乏しいので、そこまで百人一首の歌に駄作が多い印象はなかったのですが、改めて見てみると、確かにぱっとしない物が多いのかなと思ったりもします。

個人的には「会えないならせめて夢の中でも会いたい」みたいな、(百人一首ではあまりない気がしますが)会えないからこそ募る切々とした想いを綴った、電話もメールもある日本では最早絶滅同然の奥ゆかしさのある歌が好きですね。

なので、現在「小説家になろう」さんと「エブリスタ」さんで公開中の『その手に取るもの』(神と魔王がW主人公の純愛風異世界ファンタジーです)で、魔王に和歌をイメージした「(心はずっと一つに繋がっていられないから)せめてこの身だけでももうしばらくこうして(君を抱き締めて)いようと思うのだが、どうだ?」という台詞を言わせてみたら、自分で書いたくせに胸キュン(笑)し、友人にも好評でした。

やはり男性キャラ(魔王は外見上男性なだけですが)でも、奥ゆかしさは大事ですね。

「好き」「愛してる」といったストレートな台詞もそれはそれで悪くはないですが、時には「好き」だの「愛」だのといった単語を入れずに愛を表現するのも風情があって悪くないのではと思います。







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