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魔王は職業なのか

水城正太郎さん作のライトノベルを原作とした、『いちばんうしろの大魔王』というアニメが最近まで放送されていました。

紗伊阿九斗(さいあくと)君という、世の中を良い方向に変えたいと願っている聖人君子のような少年が、職業の適性検査で「将来の職業、魔王」と診断され、魔王になる運命を克服するために頑張るというお話です。

彼は名前はともかく中身は世界に破壊と絶望をもたらすという魔王とは正反対のキャラなのですが、クラスメイトの誤解を解こうと説得しかければ「流石魔王だ!」と感心され、誤って教室を全壊させては「やっぱり魔王だ!」と言われ、ひたすら誤解されまくる姿が面白かったですね(笑)。

そんな気の毒な阿九斗君が「魔王って職業なんですか?」という質問を口にするシーンがあるのですが、確かに職業欄に「魔王」と書くのは不適切かも知れません。

何しろ反社会的な行為を生業にしている訳ですし、「魔王」を職業として認めるとなると「マフィアのボス」とか「テロ組織の首謀者」なども立派な職業として認められることになるのでしょう。

Wikipediaさんによると、

経済性:収入を得て、生計を支える事。
社会性:社会の中での役割を担う事により、社会に貢献する事。
個人性:自分個人の人生の目標や生きがいを充足させ、実りあるものにする事。

というのが職業の三要素だそうですから(と言うと少し語弊があるかも知れませんが)、率先して世の中の秩序を乱すような生業はやはり公的には職業とは認められないのでしょうね。

これが例えばどこぞの国の王様だったら、職業欄に「国王」と書くのはアリかも知れませんが、一文字違うだけで豪い違いです(笑)。

まあ、そもそも魔王というのもどこぞの国だが一族だかの王様だったりするのでしょうから、自分の領土でなら堂々と職業欄に「魔王」と書けると思いますが。

阿九斗君の質問の回答としては、「魔王は職業として認められる文化圏と、そうでない文化圏がある」ということになるでしょう、はい。





 

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