言の葉の庭
先日、GYAO!さんで無料配信されていた『言の葉の庭』というアニメを見ました(以下ネタバレありますので、ご注意下さい)。
ネットでなかなか好評価を得ているようだったので、前々からちょっと気になってはいたのですが、何となく見る機会がなくてずるずる来てしまっていたんですよね。
監督が『ほしのこえ』、『雲の向こう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』などで知られる新海誠さんで、今挙げた作品は全部見ている私ですが、個人的にはこの『言の葉の庭』が一番好きです。
靴職人志望の少年が公園で雨の日にだけ会う女性と徐々に心を通わせていく恋愛物なのですが、恋愛物が基本的にあまり好きではない私でも楽しんで見られました。
今までのこの監督さんの作品は、見ていて今一つ共感や感情移入ができなかったのですが(その割に結構見ていたりするのですが(笑))、この作品ではすっと登場人物に寄り添うことができましたね。
雨の日にだけ出会う謎めいた女性に、少年と一緒に魅了されていたように思います。
それだけに女性が「少年の通う学校の古典の教師で、生徒のイジメに遭って学校に行けなくなってしまっている」という事実がわかった時にはショックでした。
何とか状況が変わってくれればいいと願っていましたが、ブチ切れた少年が主犯の女の子を殴ったり、その女の子とつるんでいる男子生徒と派手に喧嘩したりしても結局何も変わらなくて、少し悲しかったです。
だからこそ少年との関係が尊く、美しかったですが。
誰にも本音を言えずにいた女性が去って行こうとする少年に対して、「君との時間が私の救いだったの」と泣きながら本音を語るあのシーン、本当に良かったと思います。
新海監督の今までの作品はクライマックスの盛り上げが今一つ足りない感じだったのに対し、この作品ではぐっと盛り上がって思わず泣いてしまいました。
数をこなす内にどんどん上手くなってきた感のある監督さんなので、今後一層のご活躍に期待しています。