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声優さんって、やっぱり凄い

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)役で出演されている日野聡さんが、『鬼滅ラヂヲ』というラジオ番組にゲスト出演された回の放送を聞きました。

劇場版の舞台挨拶や劇場版本編についてのお話など、いろいろなお話をされていたのですが、それぞれのキャラクターが鬼に見せられていた夢に関するお話の中で、日野さんの「彼にとっては、家族といられることが幸せなことだったんだと思う」という言葉がとても印象に残りました。

主人公の炭治郎やその友人達は、それぞれ家族や友人との楽しい夢を見ていたのですが、煉獄さんだけは鬼殺隊トップクラスの剣士である柱になったことを父親に報告しても、冷たい言葉しか返って来ず、「どうしてこの人だけ、こんなに悲しい夢なんだろう」とずっと疑問に思っていたので。

煉獄さんは父親とは上手く行っていなくても、弟には慕われていて、弟に「お前には兄がいる。寂しくても共に生きて行こう」と語り掛けるのですが、「ああ、この人も寂しいんだな」ということがひしひしと伝わってきて、余計に切なくなりました。

煉獄さんはテレビアニメ版では少ししか出番がなかったので、キャラクターを説明するために敢えて実際にあった悲しい過去ばかりの夢にしたのかなと思っていたのですが、母親を早くに亡くした煉獄さんにとっては、ただ父親と弟が元気でいてくれるだけで幸せだったのかも知れません。

煉獄さんは仕事柄家を空けることも多かったと思いますし、家族と過ごせた時間は少なかったでしょうから、どんな思い出でも彼にとっては大切なものだったんでしょうね。

煉獄さんは最期に弟だけでなく、不仲だった父親にまで体を気遣う遺言を残していたので、父親を嫌っていないことには気付いていましたが、彼の家族への思いがこんなにも深いものだったことには気付かなかったので、「声優さんって凄いな」と思わずにはいられませんでした。

キャラクターを演じ切るとは、こういうことなんでしょうね。

ただ台本の台詞を追っているだけでは気付かない、深い洞察に恐れ入りました。

鬼が「幸せな夢を見せながらみんなを殺そうとした」ことを思えば、煉獄さんだけが悲しい夢を見ていたことは整合性が取れないので、理詰めで考えれば辿り着けると言えばそうかも知れませんが、私には無理でしたし。

優れた演者さんはキャラクターのとても深いところまで見ていらっしゃるので、やはり勉強になるなあと思う今日この頃でした。






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