『鬼滅の刃』の原作を読みました
最初は主人公の炭治郎とその仲間達が鬼と戦うだけの物語だと思っていたのですが、読み進めてみると実は人間と鬼の何百年にも渡る戦いを描いた壮大な物語なのだとわかりましたね。
鬼殺隊という鬼と戦う隊員の皆さんが「ここで自分が死んでも、全ての元凶となった鬼を倒せる人達が生き残ってくれさえすれば希望はある」と、身を挺して柱と呼ばれる戦闘力の極めて高い隊員を守ったり、いつか誰かが成し遂げてくれることを願って、鬼を倒せる程の極めて高い技能を後世に伝えたりする姿は、正しく連綿と続いてきた人の歴史そのもので、凄く泣けました。
人間は病気や災害や、その他いろいろなものと戦い続けてきましたが、この物語においてはその象徴が「鬼」という存在なのでしょうね。
自分の力は及ばなくとも、いつか誰かがやり遂げてくれる。
多くの人を救ってくれる。
無念や悲しみを糧に努力して、後世へと希望を託しながら、人は文明を発展させて、いろいろな問題を乗り越えてきたのだろうと思います。
今でも乗り越えられていない問題もたくさんありますし、この先永遠に乗り越えられない問題もあるのかも知れませんが、決してあきらめることなく、妹を救うために困難な問題でも必死に解決方法を探す炭治郎(たんじろう)の姿には、大人でも学ぶべきところが多いですね。
家族や友達を大事にして、相手がどんな人でも真っ直ぐに向き合い、たとえ敵に相対する時でも優しさを忘れない炭治郎は、まだ子供とは思えないくらいの人格者だと思います。
『鬼滅の刃』には魅力的なキャラクターが多いですが、私はやっぱり炭治郎と炎柱の煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)さんが好きですね。
炭治郎はともかく、煉獄さんは最初あまり好きなキャラクターではなかったのですが(炭治郎のことをよくわかっていない時に、結構冷たい発言があったので)、劇場版での彼のあまりの気高さと強さにすっかり大好きなキャラクターになりました。
信念を持って強く生きる男の人って、いいですよね。
二十二巻ではいよいよ物語も佳境という感じでしたし、二十三巻で完結するようですが、この戦いの行方を最後までしっかりと見届けたいと思います。
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