ヒーロー過ぎて泣ける
原作・原案ONEさん、作画村田雄介さんの漫画・『ワンパンマン』のアニメが放送中です。
ヒーローや怪人がたくさんいる世界で、一撃でどんな敵でも倒してしまうサイタマさんというヒーローがバッタバッタと敵を倒していくアクションものなのですが、画がとにかくよく動く上に、飄々としながらも心の内に熱いものを秘めたサイタマさんの活躍がとても面白くて、毎週楽しみに見ています。
ああいう、見ていると熱い気持ちが湧き上がってくる作品っていいですよね。
アクションのみならずギャグ要素も結構あるのですが(と言うか、サイタマさんが強過ぎるあまり一撃で戦いが終わること自体が既にギャグのようなものだと思いますが)、敵の一撃を喰らって地面にめり込んだ時に「たけのこになった気分だ」と言ったり、これまた敵の一撃を喰らって壁にめり込んだ弟子を見て「ジェノス(弟子のサイボーグさんの名前)を現代アートみたいにしやがって」と言ったりする、サイタマさんの独特の感性が面白くて好きです(笑)。
しかし、最近サイタマさん以上に好きなキャラができました。
無免ライダーさんという、いかにも自転車乗りといった感じのヒーローなのですが、人気はあるものの、はっきり言って実力は大したことないです(笑)。
でも自分が弱いことを自覚していて、敵の強さも理解していて、自分では決して勝てなくても「それでも立ち向かわなければならないんだ!」と言って、力尽きるまで戦い続けた彼の姿が最高にカッコ良くて感動しました。
力で人を守るタイプのヒーローではないですが、その強い心は紛れもなくヒーローで、弱くても戦う彼の戦う姿を見て、きっといつか自分もあんな風になりたいとヒーローを志す子供がいることでしょう。
そうやって人の心を励まし、新たなヒーローを生み出すこともヒーローにとって重要な役割でしょうから、彼は十分ヒーローとして立派な働きをしているのだと思います。
実力は凄いものの、凄過ぎてインチキと疑われてしまい、人望のないヒーローであるサイタマさんとは対照的ですが、この2人を足して2で割ったら、この作品の着想を得たであろう『アンパンマン』が出来上がりそうですね(笑)。
「アンパンマンのマーチ」ばりにどんな敵が相手でも立ち向かって行くでしょうし、パンチ一発で敵をKOできるでしょうし、人望も厚いですし、完全無欠です。
所詮作り物のヒーローと言ってしまえばそれまでですが、「こんなヒーローがいたらいいなあ」という人々の祈りや願いがそっと誰かの心を支えていたりすると思うので、やはり物語というものは素晴らしいと思う今日この頃なのでした。