『ケイゾク/小説完全版』
『ケイゾク/小説 完全版』を読んでいます。
1999年に放送されていた『ケイゾク』という刑事ドラマのノベライズ版なのですが、実はオリジナルのドラマは1話たりともみたことがありません(笑)。
タイトルの『ケイゾク』というのは「現在鋭意『継続』捜査中」の意ですが、捜査一課による捜査で解決できなかった事件は事実上の未解決事件とされており、一課弐係が形ばかりの継続捜査をしていたところに、変人ながら推理力がずば抜けた主人公が配属され、未解決事件を次々解決していくというストーリーとなっています。
前述の通りドラマを見ていないので、ノベライズとして出来がいいか悪いかはわかりませんが、予想の斜め上をいく展開が多くて、ミステリーとしてなかなか楽しめていますよ。
中には名探偵コナンを思わせるような、リアリティに?が付くトリックもあったりしますが。
おまけに未解決事件を解決するというストーリーなので、物的証拠を集めて犯人を追い詰めることができず、真相を言い当てられた犯人が何の証拠もないのにあっさり罪を認めて捕まるという都合のいい展開が続いたり。
探偵役の人を刑事にするとありがちなお約束ではありますが、ちょっと無理がありますし、今時ドラマ以外だとあまり見ない気がしますね。
小説では探偵役が警察関係者ではなく、真相を言い当てられた犯人が「死んでもらう」と探偵を殺しにかかってくるパターンが多いような(笑)。
バイオレンスに走らない場合には、「真相は自分の胸にしまっておこう」といった感じの特に状況が変化しないパターンが多いですかね。
小説って文字情報しかないせいなのか、漫画やドラマよりリアリティを求められる気がします。
まあ、『ケイゾク』の場合は大分コメディ要素が入っていますから、多少無理がある設定や展開があっても、「これはこれでアリだな」と思わせてくれました。
こういう作品は結構好きです。