はじめの一歩
タイトルと同名の漫画が原作のアニメが現在Gyaoさんで無料配信されているので、久々に見てみましたが、やっぱり面白いですね。
いじめられていたところをプロボクサーさんに助けてもらったことがきっかけでボクシングを始めた一歩君という男の子が、やがて自らもプロボクサーとなり、努力と根性で強敵達を倒していくというシンプルなストーリーなのですが、どんどん強くなっていく一歩君を見ているのは楽しいです。
一歩君は最初右ストレートの打ち方もわからないような子だったので、一歩君と一緒に基本からボクシングというスポーツを学ぶことができるところもいいですね。
『おおきく振りかぶって』のように初めからある程度そのスポーツができる人達が集まっていて、そのスポーツの醍醐味にいきなり切り込んでいくような作品もいいですが、何もできない初心者から徐々にレベルアップしていく主人公を見るのはやはり清々しい気持ちになれます。
後者は小説では見たことがないパターンですね。
単に私が読んだ作品の中にたまたまなかっただけかも知れませんが、小説は絵がないので、やっぱりそういう作品はないのかも知れません。
基本のフォームとか、絵では一目瞭然ですが、文章ではどうしても伝わり辛いでしょうし。
小説は大抵スポーツを通して青春の苦悩とか葛藤を描くことに力を注いでいて、スポーツはおまけと言うか、光を焦点に集めるレンズ的な役割程度しか与えられていない気がします。
『スラムダンク』や『おおきく振りかぶって』のように、「このスポーツってこんなに面白い物だったんだ!」という事実に感動的なまでに気付かせてくれる作品は、漫画でしかお目に掛かったことがありません。
漫画にも小説にもそれぞれの良さがありますが、個人的にはスポーツものは漫画が好きですね。
見栄えがするようにオーバーに描かれがちなので、『はじめの一歩』などではたった1発のパンチで人間が1回転していたりしますが。
そこまで行かなくても、漫画には集中線というものがある上、パンチの際にグローブが変形していたりするので、どうしても実物以上に迫力が出るんですよね。
本当にグローブが変形するようなパンチを喰らったら確実に死ぬでしょうから、一歩君が「こんなパンチもらったら、上半身が吹っ飛んじゃうよ!」とビビるのもわかりますが、ここまで行くと若干やり過ぎ感が(笑)。
あまりにオーバーに書かれ過ぎて、実際のボクシングの試合を見ると、あまりに迫力がなくて何だか物足りない気分になります。
漫画のように腰を入れてパンチを打つと、モーションが大きくなって攻撃を読まれ易くなるそうなので、実際の試合では腰の入らない手打ちが多いですしね。
一般的に本物は偽物に勝るものですが、偽物の方が本物より立派に見えてしまうこともあるのでした。