ああ ああ あんぱんまん
読みたいと思っていたので、とても嬉しかったです。
どうもありがとうございました(ぺこり)。
まず等身が3等身ではなく5等身くらいあり、ドラえもんのような手はちゃんと5本指で、口調も語尾が「なのだ」だったり、今のアンパンマンを見慣れていると正直かなり不気味な感じでした。
ストーリーも今とは随分違っていて、ばいきんまんがおらず、アンパンマンがお腹を空かせて困っている人を救うだけのストーリーなのですが、アンパンマンがお腹を空かせた旅人に「ぼくのかおをたべなさい」と促したところ、「そんなおそろしいことはできません」と返されていたのには吹きましたね(笑)。
そして、結局アンパンマンの顔を食べることにした旅人がアンパンマンの顔に齧り付いていたのが衝撃的でした。
まあ、そのシーンは絵には描かれていなかったのですが、文章に書かれているだけでもかなりショッキングでしたよ、ええ。
最終的にアンパンマンの顔はすっかり食べられて無くなってしまったり、絵的にかなり怖い感じだったものの、アンパンマンの優しさはそのままで、「あんぱんまんはきょうもどこかのそらをとんでいます」という最後の文章を読んだ途端、アンパンマンへの愛しさが胸に溢れてきていい話だなーとしみじみ思いました。
アンパンマンが悪さをしているばいきんまんをやっつける方が子供達は喜ぶかも知れませんが、アンパンマンが空腹の人々を救うだけの方がやなせさんのメッセージがすとんと心に響いてきて好きです。
誰も傷付けることなく、お腹を空かせている人にその身を投げ出すアンパンマンの姿は美しいですし、やなせさんの考える正義を見事に体現していますよね。
大分時代を感じさせますが、いい絵本でした。
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