『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2』
台湾の伝統芸能である布袋劇という人形劇で、中国的・日本的な世界観をベースにしたアクションファンタジーなのですが、個人的には前作よりも面白いですね。
今回は「魔剣目録」という恐ろしい力を秘めた数々の武器の目録を安全に保管してもらえる場所を探していたのに、因縁のある敵に目録の一部を奪われてしまい、危険過ぎる武器が世に災いをもたらすのを何とか阻止しようとするという物語なのですが、主人公の殤不患(ショウフカン)さんの人となりがいろいろとわかって良かったです。
一期の時には殤さんがたまたま危ない所を助けた女の子達と一緒に旅をすることになるというストーリーで、大半のキャラクターが腹の探り合いに終始していて、終盤になってやっとそれぞれの素性や思惑がわかるという展開でしたから、殤さんもあまり本音を言わない感じだったんですよね。
そのため「いい人だけど、謎が多くてよくわからない人。とても越えられないと言われている危険地帯を越えて東離まで旅をしてきたなんて、もしかしたらとんでもない嘘吐きかも?」という感じだったのですが、最後の最後に「魔剣目録を持っていたから危険地帯を無事に越えることができたし、わざわざ東離に来たのは魔剣目録を悪人に渡さないため」という事実が明らかになって、「この人は嘘なんか吐いてなかったし、それどころか凄くいい人だ!」と好感度が上がった途端に話が終わってしまい、「面白かったけど、ちょっと不完全燃焼」でした。
今回は前作から続投のキャラが殤不患(ショウフカン)さんと凜雪鴉(リンセツア)さんだけで、後は全部新キャラなのですが、みんなそれぞれキャラが立ってますし、そのキャラクター達と殤さんとのやり取りがいいですね。
わざわざ危険地帯を越えてやってきた殤さんのかつての相棒・浪巫謡(ロウフヨウ)さんは殤さんのことを本当に大切に思っていて、「お前が側にいるのは殤のためにならない」と言って、凜さんを殺そうとしたりするのですが、「そこまでして守りたくなる殤さんの人望凄いな!」と感心せずにはいられませんでした。
浪さんは声に魔性を宿しているために、あまり話すことができない人なので、基本的に人とコミュニケーションが取れませんから、殤さんみたいに友達付き合いをしてくれる人は少ないでしょうし、きっとその分殤さんのことが大事なんでしょうね。
殤さんのためなら平気で命も捨てそうですし、毒で死にかけている殤さんを助けるために竜にケンカを売るなんて命知らずな真似もしてましたが、できれば本当に死んじゃって殤さんを悲しませるような展開にはならないで欲しいなあと思います。
あと、個人的には敵の蠍瓔珞(カツエイラク)さんとの絡みが好きでしたね。
蠍さんに「真の強さとは何だ?」と訊かれて「本当に強い奴ってのは、自分に負けた相手の仕返しにビビらなくていい奴だ」みたいな返しをするのですが、「殤さんらしくていい答えだなあ。流石虚淵さんだわー」としみじみ思いました。
きっと殤さんなら負けた相手に復讐に来られて倒されたとしても、自分の未熟さを悔やむことはあっても、敵を殺さなかったことを悔やむことはないのでしょうね。
こういう人こそが「魔剣目録」を持つに相応しいと思うので、いっそ死ぬまで殤さんが肌身離さず持ち歩いてればいいんじゃないかと思ったりもしますが、殤さんも人間ですから死後に「魔剣目録」の管理が問題になることを思えば、やはりどこかでちゃんと管理してもらうべきなのでしょう。
その前にまずは封印を解かれてしまった魔剣をどうにかしなければならなかったりするので、「殤さん頑張ってー!」と心の中で応援していますが、一期の時は凜さんが一番好きだったのに、最早私の中では完全に殤さんと順位が逆転しました。
ビジュアルだけなら今でも凜さんの方が好きですけど、やっぱり男は中身ですよね!
殤さんがあまりに男前だったので、今年の自分の誕生日プレゼントは『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2』のDVD一式にしようかなと思っています。
出てくる人形がとにかく豪華絢爛な綺麗さで、動きの一つ一つもまた綺麗ですし、アクションシーンがとてもかっこいいんですよね!
いい目の保養になる上にストーリーも面白く、キャラクターも魅力的、おまけに途中でうっかり録画を失敗してしまって見ていない回があったりするので(笑)、ちゃんと最初から通して見たいなと思っているのでした。
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