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『風が強く吹いている』

三浦しをんさん原作の『風が強く吹いている』のアニメを前期から毎週楽しみに拝見していたのですが、そろそろ物語も佳境に入ってきて、「もうすぐ終わっちゃうんだなあ」と少しさびしく思っています(以下ネタバレありますので、ご注意下さい)。

陸上経験のない素人が多数を占める寛政大学陸上部の男子大学生十人が箱根駅伝を目指すという物語で、「何だか漫画っぽい展開だなあ」と思っていたら、いつの間にか漫画化もされていた上にとうとうアニメにまでなって、何とも感慨深いですね。

原作を読んだのが随分前なので、大体の登場人物と大まかな話の内容は覚えていましたが、細かいところを忘れていたので(笑)、なかなか新鮮な気持ちで見られました。

原作は結構分厚いとはいえ本一冊分しかありませんから、てっきり一クールで終わるのだろうと思っていたら、まさかの二クールでびっくりしましたけど。

センスのない人がここまでストーリーを膨らませようとすると、脚本が間延びして悲惨なことになりかねませんが、十人が置かれた状況や過去、十人を見守る人々が丁寧に描かれていて、とてもいい仕上がりになっていると思います。

原作で描かれていなかった部分を補完するだけでなく、ここまで面白くしてみせるとは、流石の一言ですね。

私はニコニコ動画さんで視聴していて、とうとう箱根駅伝がスタートして、往路が終わったところなのですが、熱でフラフラになりながら必死で走る神童さんの姿に、お母さんや妹さんがテレビの前で泣いているのを見て、思わずもらい泣きしてしまいました。

特にお母さんなんて画面をまともに見られず、手で顔を覆ってしまっていて、見ているこっちも辛かったです。

あまりにコンディションが悪過ぎる神童さんに、監督が将棋の投了の話をして「棄権は恥ずべきことじゃない」と諭すのも、胸に刺さりました。

将棋のことはさっぱりですが、監督のおかげで全力で戦ってもう勝てる可能性がないことを悟った時に、潔く勝負を投げる決意をするのは立派であれ、決して恥ずべきことはないのだということを学ぶことができました。

あの監督さん、箱根駅伝がスタートするまでほとんど監督らしいことを何もしていなかった気がしますが(笑)、こういうところはやはり監督だなあと見直しましたね。

脇役でも名台詞を言ったり、平気で泣かせにくるところが、この作品の凄いところです。

箱根駅伝が始まってから毎回必ず一回は泣いてますから、多分復路でも泣いちゃうんだろうなあと思いながら、残りの放送を楽しみに待とうと思います。





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