『機動警察パトレイバー』
そして今は実写版『機動警察パトレイバー』の一挙放送をリアルタイムで見ています。
一九九〇年代後半から二〇〇〇年代前半辺り(作品が発表された当時は一九八八年だったそうなので、当時からすると近未来になりますね)の日本を舞台にした、レイバーと呼ばれる巨大ロボットを擁する警視庁警備部特科車両二課中隊の皆さんの戦いを描いた作品なのですが、ロボットアクションがメインかと思いきや、部署が辺鄙な場所にあって出前をしてくれるお店が一軒しかないのにそのお店のご主人と喧嘩してみたり、勝手にレイバーを動かしたことが上の人にバレないように一致団結してみたりと、微笑ましい日常もたくさん描かれていて、キャラに親しみが持てて良かったです。
個人的には隊長の後藤さんが好きですね。
何を考えているのかよくわからない、やる気のなさそうな言動ばかりしている人ですが、実は「カミソリ後藤」なんて呼ばれる程の切れ者というギャップが素敵です。
部下の性格を都合良く利用して自分は思いっきり楽をしていたりしても、隊長として責任はきっちり取るという立派な一面がまたいいんですよねー。
いつかあんな味のあるおじ様を書いてみたいものです。
さて、この作品って押井守監督作品なのですが、押井監督作品と言うと『攻殻機動隊』シリーズしかまともに内容を覚えていなかったので(全部ではないので、若干思い違いをしているかも知れませんが)、この一挙放送で昔は随分エンタメ要素が強かったんだなあと作風の変遷を見て取ることができました。
テレビアニメ版と劇場版一作目の時は時々押井監督らしい重い台詞が入る程度で、シリアスであっても重たいストーリーではなかったですし、見終わった後に爽快感があったのですが、劇場版二作目ともなるとキャラクターデザインも随分リアル寄りにシフトして、押井節とでも言うべき重たいテーマの会話が続くことが多く、見終わった後に爽快感もなく、テイストがあまりに違い過ぎて正直かなり面食らいましたね。
二作目の劇場版も結構楽しんで見られましたが、個人的にはできればイメージが出来上がっているキャラや雰囲気を変えないで欲しかったです。
最早シリーズ物とは思えないくらいの変貌ぶりだったので。
監督に一体何があったんでしょうね?
思いっきりシリアス方向にシフトしたのかと思いきや、実写版の方では爆発オチや数々のパロディ、某カップ焼きそばのダイレクト・マーケティングなどなど、相当はっちゃけていらして随分笑わせて頂きましたが(笑)。
基本的にアニメや漫画の実写化には反対派な私ですが、アニメ版を手掛けた監督さんの作品だけあって、実写版パトレイバーはなかなか面白いです。
シバシゲオさんというメカニックのおじさんに声を当てていらした千葉繁さんがアニメと同じ役で出演していらして、味のあるコミカルな演技を披露されているところもいいですね。
前述の通り、テレビアニメ版は八〇年代の作品なので、絵や音質が大分古い感じですが、今見ても十分楽しめる内容ですし、実写も実写で楽しめるので、かなりオススメの作品だと思います。
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