『宝石の国』
市川春子さんの『宝石の国』という漫画を原作とした同名アニメが現在放送中で、毎週楽しみに拝見しています。
ざっくり言ってしまうと宝石の擬人化作品で、二十八人の宝石達と月人(つきじん)と呼ばれる敵との戦いを描いた物語なのですが、世界観が独特でなかなか面白いですね。
主人公はフォスフォフィライトという、非常に脆くて弱いために戦闘に参加できない鉱物で、「博物誌」の制作を命じられたことをきっかけに、仲間達の中で浮いているシンシャという子の孤独と悲しみを知り、シンシャのためにできることをしようとするのですが、トラブルに巻き込まれてばかりで本来の目的は一向に果たせていませんけど(笑)。
でもフォスの優しいところや真っ直ぐなところが私はとても好きですし、きっとシンシャもフォスのそういうところに惹かれているんでしょう。
足を失ったり、手を失ったりで、記憶がどんどん減ってますから、その内シンシャとの約束も忘れてしまうんじゃないかと心配になりますけど。
人に似た姿をしていてもあくまで鉱物なので、腕や足が取れても血が出たりすることはなく、剥き出しになった鉱物の断面が寧ろ美しく見えてしまうくらいなのですが、流石に仲間が月人の攻撃を受けてほぼ粉々に砕け散った時には心の中で悲鳴を上げました(涙)。
決してグロテスクではありませんでしたけど、見ている方が痛いと言うか何と言うか……。
砕かれたらそのまま月に連れて行かれてしまいますから、もう会えなくなってしまいますしね。
フォスは、いつか月に連れて行かれた仲間達と再会することはできるのでしょうか?
鉱物ですから、たとえ粉々にされても、欠片を集めれば元通りの状態で復活できるという便利設定があるので、まだ再会の希望があるところが救いですが、仲間を失う度に目の前で砕け散るところを見せ付けられていたら、その内精神を病みそうです。
私、鉱物には全く詳しくないので、作中に登場する宝石の半分も知らなくて、「こんなにいろんな宝石があるんだー」とびっくりしましたが、一番びっくりしたのは氷が鉱物の一種ということですね。
流氷を砕きに行ったフォスにどこからか話し掛けてくる声があって、どうも氷が話し掛けているらしいと気付いた時に、「氷って鉱物だったんだ!」と衝撃を受けました。
思わずネットで調べて確認しましたが、どうも間違いないようで。
長年、「氷というのは水が固体になったものであって、鉱物ではない」という認識だったので、一つ勉強になりました。
ありがとうございました。