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『偽物語』の半分は雑談でできています

最近西尾維新さんの『化物語』シリーズを絶賛読破中で、つい数日前に『偽物語(上)』を読み終わりました。

怪異に行き会ったり魅入られたりした高中学生が、それぞれのやり方で怪異絡みの事件を解決していくお話の第3弾です。

『偽物語』は割と最近までアニメが放送されていて、アニメと原作を比較しながら読んでいたのですが、やはり雑談が多いですね(笑)。

「あなたは死なないわ。私が守るもの」「いや、そんなたった今この瞬間に思いついたみたいにエヴァネタを絡めてこられても――」なんてやり取りはまだいい方で、物語の進行上どうしても必要な内容だけに絞ったら、半分以下のページ数に収まりそうな気がします。

正直物語密度が薄めなので、読んでいてやや物足りないというか、上下巻をセットにして1冊でも良かったんじゃなかろうかと思いました。

会話自体は結構面白いですし、シリーズ第1弾の『化物語』で「どこに行くの?」という問いかけに対して「人道支援」と答えたりする台詞のセンスは結構好きなのですが、語り手が阿良々木(あららぎ)君からクラスメイトの羽川翼ちゃんに変わった『猫物語 白』のように、雑談が全くと言っていい程ない方が物語に深みが出ていい気がしますね。

まさか『化物語』シリーズを読んで涙を流す日が来ようとは夢にも思っていませんでしたが、『猫物語 白』を読んだ時には羽川さんの辛さや新しい一歩を踏み出す決意の強さなどがよく伝わって来て、何度も泣けてしまいました。

個人的には『猫物語 白』がシリーズの中で一番好きなので、またああいう話を読みたいと思っているのですが、もしかして他にはないんですかねえ。

そうだとしたらちょっと残念です。

 

 

余談ですが、『偽物語』のアニメで阿良々木君が妹の火憐ちゃんと派手なケンカをするシーンで、阿良々木君が辺りの建造物を破壊しながら吹っ飛んだりするというドラゴンボールばりのアクション(笑)が原作でどのように書かれているか気になっていたのですが、案の定大人しいものでした。

吹っ飛ばされてアスファルトに擦ったおかげで服がボロボロというような描写があったりして、いくら空手有段者の女の子とはいえ人間としてはやり過ぎ感はありましたが、やっぱりあれはアニメ制作会社・シャフトの皆さんの遊び心だったんだなあと納得した次第です。

遊び心があり過ぎて何だかとんでもないことになっていましたが、きっと面白ければそれでいいという方針なのでしょう。

演出に結構癖があるので、好き嫌いが分かれる感じですが、私は結構好きですね。

第2弾の『傷物語』は今年劇場公開を予定しているそうですし、シャフトさんには今後とも頑張って頂きたいと思います。




 

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