蜜柑の房に付いている、白い筋の名前はアルベド
ということで、蜜柑を食べる度にPS2用ソフト『Xenosaga EPISODE1』『2』『3』に登場した同名の彼を思い出してしまいます。
『EPISODE1』では狂人、『EPISODE2』では変態、『EPISODE3』では結構素直に兄弟思いと、続編が出る度にころころとキャラクターが変わった彼。
「これぞ狂気!」という、狂気の見本のような笑いを披露してくれた彼。
「赤が白だ!」が笑いのツボの彼。
「行け!行け!行け!ガッチャマーン!」と思わず歌い出したくなるような白いコスチュームの彼。
『EPISODE2』の終盤で、『フランダースの犬』のラストシーンよろしく羽を生やした少女達に囲まれて天に昇って行って、私を爆笑させてくれた彼。
「あいつは血反吐を吐きながら言ったよ。「地に落ちて死なぬ麦は、一粒のままである」だとさ。麦か!麦など掃いて捨てる程生えてくる!この首同様にな!」と言いながら、自分の首を切り落として見せた彼。
驚異の再生能力を持ち、基本的に死ぬことがない彼にとって、痛みはあくまで自分という存在を確認する手段でしかありません。
なので笑いながら腕は落とすわ、首は落とすわという、究極のマゾヒストぶりを発揮しています。
その一方で外見年齢14歳程度の少女の姿をした、いたいけな人造人間の腕を平気でへし折ったり、首にチョップを喰らわせたりするようなサディストですが、『夏の痛み』に登場した藤篠とはかなり気が合いそうですね。
無痛症の藤篠君は生きている実感に乏しく、そのことでとても苦しんでいる人なので。
ちなみに無痛症というのは、その多くは先天的な疾患です。
読んで字のごとく、痛みを感じないという珍しい病気ですが、患者さんによっては痛覚が弱いだけでちゃんと存在しているケースもあるようですね。
それでも、症状の進行によっては最終的に痛みの完全脱失が起こったりもするそうですが。
とまあこのように、無痛症と一口に言っても、様々なタイプの疾患があります。
先の疾患の進行に伴って、最終的に痛みを完全に失う疾患の代表が遺伝性アミロイドポリニューロパチー。
その多くが遺伝性感覚自律性ニューロパチー(HSAN)で、更にタイプ別にⅠ~Ⅴ型に分類されるという細かさです。
どうやら無痛症患者の方に一番多いのは、無痛無汗症という、汗をかかない=体温調節が上手くできないという症状を伴う疾患のようですが(素人なので、間違っていたらすみません)。
ちなみに藤篠君は冷温感覚が弱いながらもあり、触覚・関節位置覚・深部腱反射・無髄繊維が全て正常という無痛症患者です。
Ⅰ~Ⅴ型の分類で行くと、どうやらⅤ型になるようですね。
ちなみにⅤ型は、「常染色体劣性遺伝形式を示す小径有髄線維の選択的な消失を伴う遺伝性感覚自律性ニューロパチー」だそうで、純粋に痛覚脱失を呈するとのことでした。
無痛症の患者さんは痛みによって自分の行動を抑制するということが基本的にないので、歩き始めるようになると骨折し、治ってまたすぐ骨折ということを繰り返し、遂には骨の変形によって歩けなくなってしまう方が多いようですね。
藤篠君は大人しくて、あまり運動が好きではない子なので、そういうことにはなりませんでしたが。
なお、無痛症の方は自分の体の異常に対してひどく鈍感なせいか、概して短命で、20代で亡くなってしまうケースが多いそうです。
以上、無痛症についての(一応の)解説でした。
患者さんが少なく、あまり馴染みのない疾患だと思うので、簡単に書いてみた次第です。
NovelのThe Present Timeに解説として書こうと思ったのですが、間違っている可能性が高いので(笑)、敢えてこういう形を取らせて頂きました。
拙い小説を少しでも補足できたら幸いです。