白馬の王子様なんていない
最近浅井ラボさんの『されど罪人は竜と踊る』という作品の中で、タイトルのような乙女の夢を一刀両断する一言を見付けまして、「全く同感だけど、これは恋に恋する女の子には読ませられない本だなあ」としみじみ思いました。
タイトルの言葉をもう少し正確に言うと、「白馬の王子様なんて、都合のいい浮気相手を求める男の醜い欲望と同レベルの女の欲望が生んだ幻想」という感じだったので、少女のみならず少年の夢も一緒に木っ端微塵に吹き飛んでいたりするのですが(笑)。
世の中の少年には、女性にあまり夢を持たない方がいいと忠告しておきます。
少女においては「都合のいい浮気相手を求める男の醜い欲望」という辺りで夢が2度壊れると思うので、その分ダメージが増しますが、しかし白馬の王子様はどう頑張っても無理です。
あんな非の打ち所のない上に、女性にとって都合の良過ぎる完璧超人がいる訳ありません。
交際中の男性を「あの人は私の白馬の王子様なのよ!」と本気で思っている女性がいたとしたら、ただ単に相手の男性が王子様を演じているか、女性の方が舞い上がって勝手に勘違いしているかのどちらかでしょう。
しかし、白馬の王子様を夢見る少女の何と多いことでしょうか!
ちょくちょく投稿しているコバルトさんに限ってみても、やたらお姫様ものの作品が多くて正直食傷気味です。
こんな閉塞感に溢れた時代では、夢でも見ないとやっていられないのかも知れませんが、昔に比べて作品の幅が狭くなっているように感じられて残念ですね。
もういっそのこと、「白馬の王子様なんかいない」ということを少女に思い知らせる作品を書いて、彼女達の幻想をブチ壊しにしてやりたいとも思ったりします。
「死亡フラグをへし折るRPG(ニンテンドー DSソフト『ラジアントヒストリア』)」ならぬ、「少女の夢をへし折る少女向けライトノベル」ですね(笑)。
これはこれで新しいのではと思いますが、作品の傾向が違い過ぎて賞に手が届かないのは明らかですし、いずれ嫌でも思い知ることになる事実を敢えて教えるのも残酷というものでしょうから、ここは敢えて傍観者に徹することにします。