世界を救ったという事実を証明せよ

ジェネレーションギャップ――日本語で言うところの「世代間格差」で、多分『ADVENT CHILDREN』のデンゼル君やマリンちゃんといった１０歳そこらのお子様達はセフィロスのことをよく知らないのだろうなあと勝手に思っていたりします。

インターネット上で『ADVENT CHILDREN』当時デンゼル君が８歳だったという情報を拾ったので、それが事実として『FFⅦ』本編（２年前）の年齢は６歳、そしてセフィロスが死んだ当時（７年前）はわずか１歳ということになりますし、さしものセフィロスも１０年近い歳月が経てば過去の人になっている可能性が高いでしょう。

かくして『少年の日との決別』において、デンゼル君は「セフィロスのことをよく知らない」と言っていたりする訳ですが、そもそもあの子は、と言うかあの世界の人達は、メテオが降ってきたのがセフィロスのせいなのだと知っているのでしょうか？

新羅の皆さんは「メテオが降ってきたのはクラウド達のせい」ということにして、メディアで堂々と報道していましたし。

一応新羅でそれなりの役職にあったリーブさんが仲間の一人だったので、その辺はちゃんと人々に説明してくれたのではと思いますが、いくら「実はこういう事情があって……」と説明しても人々の先入観を払拭するのはなかなか難しい気もします。

声優の神谷浩史さんも幾度かおっしゃっていました。

「マスコミは怖えぞ！」

と。

たとえ誤情報でも一旦事実として発信されてしまえば、どこかに必ず信じる人が出てきますし、一見平和に暮らしているように見えるクラウド達も、ああ見えて実は絶えず謂われなき迫害に耐えていたりするのかも知れません。

「俺達が世界を救ったんだ！」と人々に証明するのは、多分無理でしょうし。

『ADVENT CHILDREN』を見ている限り、クラウドは世界を救った英雄として認知されているようでしたが、一体どうやって信用してもらったのか、物凄く不思議です。

もしかしてあの世界の皆さんは、マスコミの情報を鵜呑みにする大変素直で大問題な人達なのかも知れませんが、そのおかげでクラウド達が私刑にされることなく暮らして行けるなら、それはそれでいいのかも知れません（笑）。