ザックスよ、ありがとうでごめん そしてクラウドも、ごめん
二次創作をしていると、本当にいろんな楽しみがあります。
キャラクターをじっくり分析していると、「あ、この人ってこういう人だったんだ」という新しい発見があったりしますし、何より愛情が深まりますので。
特に『FFⅦ』のクラウドは、似せようという努力をほとんど放棄して書いているので、本当に自分の子供のように愛しく思えますね。
『FINAL FANTASY Ⅶ ADVENT CHILDREN ―REUNION FILES―』には、「おっきな子供」と書かれていたクラウドですが、私の中で彼はあまり子供というイメージはないんですよね。
子供というならセフィロスの方が明らかに子供ですし、彼にできなかった「認めたくない自分を受け入れる」ということを、彼は(なし崩し的にせよ)ちゃんと成し遂げているので。
保護すべき子供達をほったらかして一人で出て行ってしまう辺り、あまり真っ当な大人とは言えない気もしますが(笑)、ただ不器用だったり弱かったりするだけで、彼はちゃんと大人なのだろうと思います。
似せようなんて端から思ってはいない私ですが、少しでも彼という人を掴めているといいとは思いますね。
二次創作をしていて嬉しくなる時――それは人によって違うと思いますが、私が一番嬉しくなるのは、自分が思ったよりキャラクターを把握できていたらしいとわかった時なので。
『教会の花』という作品の中で、ザックスがエアリスの前でちょっと泣くというシーンがあるんですが、実はあのシーンを入れるべきかどうか、かなり迷ったんですよね。
男というものは、基本的に女の前であまり弱さを見せたがらない生き物だと思うので。
でもザックスは感情表現がとてもストレートな人のようなので(だからこそ、彼は子供みたいに見えるんでしょうね)、「泣きたい時には誰がいても泣くし、笑いたい時にはどこでも笑う人だろう」と、敢えて泣かせました。
後に『CRISIS CORE』のプロモーションビデオで、エアリスに背を向けてしゃっくり上げる彼を見た時には、「うわ!泣いてるよ!やった!」と思ったものです。
彼が泣いたことをこれ程喜んでいるのは、世界広しと言えど、きっと私だけでしょうね(笑)。
あと、もう一つ「やった!」と思ったことがありました。
現在期間限定で公開されているプロモーションビデオには、ザックスとエアリスが携帯電話で話しているシーンがあるんですけれど、「後で電話する」というザックスに対して、エアリスは「ううん、しなくていいから」と言うんですね。
私はエアリスの言葉に「え?」とびっくりしてしまったんですけど、ザックスはちゃんとエアリスの言いたいことがわかったみたいで、「わかった。会いに行く」と言うんです。
で、エアリスは「待ってる」と。
このやり取りから、ザックスはやっぱり人の心に聡い人なんだろうなと思いました。
大抵の人なら、「電話しなくていいから」=「怒ってる」もしくは「別れよう」と解釈してしまうと思うので。
「君が君でいてくれて嬉しいよ、ザックス」な感じです。
ザックスを主人公にした話ももう少し書いてあげたいかなとも思いますが、クラウドとセフィロスを中心にシリーズを構成する予定なので、ちょっと難しいですね。
ごめん、ザックス。
でも、もっと謝らないといけないのはクラウドですね。
一番別人な上に、ファーストキスはザックス。
初めて枕を共にしたのもザックス。
決してクラウドをおもちゃにして遊んでいる訳ではないんですけど、これではおもちゃにしているも同然な気が(笑)。
『侵犯者は心を溶かす』の続編の同人誌は、18禁ではあるものの一応広義の友情もので、同性愛ではなかったのですが、『少年の日との決別』はセクシャルな描写がゼロにも関わらず、同性愛的要素を感じさせる作品になったと思いますし。
弟が言うには、男というものはたとえ思っていても同性に対して「かっこいい」とか「綺麗」とか言わないものだそうですからね。
おまけに、「セフィロスを好きだった」というような台詞をクラウドに言わせてしまったので、ナチュラルに深読みできる仕上がりになったと思います(笑)。
セフィロスがクラウドをどう思っているのかということも、いずれ書きたいですね。
ゆっくりでも頑張りたいと思います。
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