もう1人いる!
綾辻行人さん原作の『Another』というアニメが先日最終回を迎えました。
「主人公の男の子が転校先の田舎の中学校で恐ろしい惨劇に巻き込まれてゆく」と言うと何だか『ひぐらしのなく頃に』みたいですが、大雑把にあらすじを説明するとそういう感じのお話ですね。
正直最初は『ひぐらし』の焼き直しかと思ってちょっと斜めに見ていたのですが、『ひぐらし』のようにトンデモ系に走ることなく綺麗にまとめてくれたので、完成度は比べるべくもない感じでした。
3年3組のクラスの中に1人の死者が紛れ込み(死者にその自覚はなく、人々の記憶や記録も改竄されるため、見分けることはほぼ不可能だそうです)、その影響でクラスの構成員は死に近い存在となって、クラスに在籍する本人とその2親等以内の家族が卒業式までの間に次々に死んでいくのですが、次に誰が死ぬかはランダムなのでかなり緊張感もありましたし。
死因がエレベーター事故というオーソドックスなものから階段から落ちた拍子に傘の先が喉に刺さって死ぬという、ちょっと凝り過ぎだろうというものまで多岐に渡っていて残酷描写も多いので、そういうものが苦手な方にはあまりオススメしませんが。
ホラー要素だけでなく、「死者は誰なのか」推理するミステリー要素もあって、個人的にはかなり面白かったですけどね。
「クラスに紛れ込んだ死者を殺せば災厄は止まる」という事実が判明してから、いよいよ物語はクライマックスへと向かうのですが、死者は完全に私の予想外の人でした。
実にミステリー作家らしいと言えばらしいオチでしたが、全く気付きませんでしたねえ。
この「やられた!」感が好きなので、ミステリーって好きです。
綾辻さんは以前1作だけ読んだことがあるものの、悪くはなかったとはいえそれ程合わないかなという印象だったので、以降読むことはなかったのですが、『Another』が思いの外良かったので、その内また読んでみようかなと思いました。