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『黒猫シャーロック〜緋色の肉球〜』

このところSFをよく読んでいたので、久々にミステリーが読みたくなって、『黒猫シャーロック〜緋色の肉球〜』という小説を読みました(以下ネタバレがありますので、ご注意下さい)。

猫の言葉がわかる大学生のお兄さんが、ひょんなことからホームズみたいな黒猫に出会い、身近で起こるいろいろな事件を解決していくというストーリーなのですが、「タイトルからしてホームズをオマージュしたミステリーなんだろうなあ」と思っていたら、正にそんな感じでしたね。

ホームズ役はあくまで猫なので、阿片窟に入り浸る代わりにマタタビでゴロンゴロン(笑)したりと、本家のホームズとは一味違う可愛さがありました。

ヒロインのアイリーンという美猫もオリジナルを知っているとニヤリとする感じで、なかなか印象的なキャラになっていて良かったです。

事件を解決して欲しいと依頼に来るのは大概猫で、解決するのも猫なので、そこまでびっくりするような真相はありませんでしたが、猫ならではのエピソードの数々はなかなか新鮮でした。

ただ、読んでいて一つ気になったのですが、猫の言葉がわかるお兄さんって、猫以外の言葉はわからないものなんですかね?

言及されていたかどうか記憶があやふやなので、書かれていたかも知れませんが、「猫の言葉がわかるなら、ドリトル先生みたいに他の動物の言葉もわかったりしないのかなあ?」と考えてしまうのは、些か短絡的過ぎるというものでしょうか。

人間だって同じ種族の中でも様々な言語を話していて、外国の人とは意志の疎通が難しいですし。

「ファンタジーなんだから、細かいことは気にせず読めよ!」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、ファンタジーってともするとふわっとした設定になりがちで、説得力を持たせるためにはある程度かっちりした設定が必要と考えているものですから、ついつい人の作品を読んでいる時にも自分と同じ基準を適用しがちな私です。

最近ちょっと忙しくて、ただプロットを練っているだけなのですが、落ち着いたらまた新作を書こうと思います。




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