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友情と愛情の間

森絵都さんの『DIVE!!』が映画化されましたね。

映画を見る予定はありませんが、原作はかなりお気に入りです。

これは飛び込み競技に打ち込む少年達の物語なのですが、彼らの友情以外にもマイナーな採点競技に一人で臨むことへの悲哀や葛藤などが丁寧に描かれていて、なかなか読み応えがありました。

私は飛び込み競技の知識が全くないので、技の名前を見てもそれがどういう技なのか全くわからなかったのですが(笑)、私のような方でも十分楽しめると思います。

競技会の結果には予想を裏切られ、最後の最後まで結果がわからずにハラハラし通しでした。

余談になりますが、作中に行ったことがあるプールが登場して、妹と「ここってあそこだよね!」と盛り上がれたところも良かったです。

かの北島康介選手がいらしたこともあるプールなので、行ったことはなくとも名前は知っているという方もいらっしゃるでしょうね。

知っている場所が書かれていると、それだけで何だか嬉しくなってしまう私です。

さて、話は戻って『DIVE!!』ですが、弟に読ませてみたところ、まず出てきたのが「男同士の精神的な距離が適正」という感想でした。

弟が言うには、「女性が書く男の友情は、何だか精神的な距離が近過ぎて気持ち悪い。男の友情は相手にべったり引っ付いたりしないで、俺も頑張るからお前もお前で頑張れよって感じなんだ。ほんとにああいう連中がいたら、それはもう同性愛者」だそうです。

私も『DIVE!!』で森さんがお書きになった友情を見て、「現実の男の友情とはこういうあっさりしたものなのだろうなあ」とは思いましたが、萌えたり自分で書いて楽しいのは「同性愛者的友情」なんですよねえ(笑)。

なので、『夏の痛み』は書いていてかなり楽しかったです。

主人公と藤篠君が後半二人っきりで話す場面とか、無駄に妖しい感じにしようとにまにましながら描写を考えていました。

城に置く際に加筆したシーンでは、首筋を舐めるなどという真似までさせてしまいましたし、最早脳が壊死しまくっている私。

書くことに関しては、恥じらいなんてとうの昔に捨てました(笑)。

またもや余談になりますが、『夏の痛み』を読んだ妹が、それから暫くして奈須きのこさんの『空の境界』を読んだところ「男の子ってお姉ちゃんの小説みたいに話すのかなって思ったけど、結構あんな感じで話すんだね」と言ったことがあります。

どうも口調が似ていたらしいですね。

『夏の痛み』を書いたのは、『空の境界』を読む前だったので、特に影響を受けたというようなことはないですし、自分では似ているとは全く思わなかったのですが、男性が書く少年の話し方に似ているというのは悪くはないのだろうと思います。

ちなみに私、妹とメールで会話している時に文面のあまりの男らしさに弟と間違われ、弟が後からメールを送ってきたことで私だと漸く気付かれたということがあるくらい文章が男らしいそうです。

こんな私ですが「佳景」と書いて「よしかげ」ではなく「かけい」と読む(一応)女なので、これからもよろしくお願いします。







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