美人は立ち居振る舞いも美しく
何故ならば彼の職業はソルジャー。
彼を育てた新羅の連中にとっては、戦ってくれさえすれば、彼がどれだけ口が悪かろうが、どたどた足音を立てて歩こうが構わない筈です。
ですが日頃のセフィロスを見ていると、新羅の連中はそれは厳しく彼に礼儀作法を躾けたとしか思えません。
では、一体何のためにそんなことをしたのでしょうか。
幼少時に既にファンクラブが結成される程の人気者だったセフィロスなので、きっと新羅の上層部の連中は「将来広告塔として十分役立つ」と考えて、彼をどこに出しても恥ずかしくないように徹底して礼儀作法を叩き込んだのだろうと(笑)。
多分幼き日のセフィロスにとっては、戦闘訓練より作法のお稽古の方が辛かったでしょうね。
でもきっとその努力の甲斐あって、食事の仕方から社交ダンスまでばっちりだと思います。
でも、彼が食事してるところを想像すると、何だか無性に笑えてきますね(笑)。
彼、私の中ではとっても非人間的なイメージなので、何か人間らしいことをしているとそれだけでおかしく思えるんです。
「セフィロスって、シャワーの度にシャンプーとリンスを丸ごと一本使い切ってるらしいぞ」と弟から聞いた時には、思わず大爆笑してしまいました(笑)。
私にとってセフィロスは、それくらい人間の香りがしない人(しかも怖い人)なのですが、一皮剥けば只の図体のでかい子供というギャップがなかなか書いていて面白いですね。
昨日NovelのOtherに収めた『おとうさんのて』は、セフィロスがクラウドの故郷・ニブルヘイムを滅ぼした時のエピソードに絡めたお話です。
愛情に飢えている上に自分の出生の秘密を知って塞ぎ込んでいるセフィロスに、ザックスが何かしてあげたいと思って……という感じになる予定ですね。
ザックスは優しい人なので、セフィロスが「故郷がない」とか「両親は知らない」というようなことを言った時に、いろいろと思うところがあったと思うんです。
まあ、ザックスが何をしたところでセフィロスは頑なに心を閉ざし、ニブルヘイムを滅ぼしてしまうんですが。
このエピソードを入れるとザックスがちょっと苦しむことになってしまうんですけれど、彼は「お前はもう、俺の知ってるセフィロスじゃない!」と言いながらも、セフィロスを止められなかったこと、救えなかったことをとても悲しんでいたのではないかという気がしたので、敢えて書くことにしました。
『教会の花』といい、何だか妙にザックスを苦悩させてばかりいる私です。
うじうじしたり、イライラしたり、落ち込んだりと、およそ彼らしくないところばかり書いていますが、どんなに優しい人でもイライラする時はありますし、いつもは笑ってる人が泣くことだってありますから、これはこれでいいのかなと思っています。
人間を書くって難しいですね。
以前に比べれば大分鍛えられた気がしますが、まだまだ精進しなければと思います。
PR