乱歩奇譚 Game of Laplace
かの江戸川乱歩原作のアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』が放送中です(以下ネタバレご注意下さい)。
江戸川乱歩って何となく怖いイメージで、今でこそホラーもぽつぽつ読むようになったものの長らく避けていましたから、今まで読んだことがなかったのですが、好評だと聞いたのでニコニコ動画さんの一挙放送で6話まで見てみました。
乱歩と言えばミステリーですが、まともに証拠を調べたり、推理したりするシーンはあまりなく、ミステリーで大概犯人が全然わからない私でさえ、犯人がわかるくらい露骨なボロを出して犯行が暴かれていくという、なかなか雑なスタイル。
そして、怖いと言うよりグロかったです(笑)。
いくつもの殺人事件が起こるのですが、殺し方がとにかく常軌を逸しまくっていて、1つ目の事件はまだぎょっとする程度で済みましたが、2つ目の事件の時にはあまりの残虐さに身の毛がよだち、3つ目の事件の時には涙が出ました。
基本的に被害者が善良な上に殺し方がとにかく残虐なので、犯人への怒りや憎しみがふつふつと湧き上がってくるのですが、しかし犯人が精神病や心神喪失を理由に不起訴になったり、そうして不起訴になった犯人が再犯したりするのを見ていると、本当にやり切れない気持ちになります。
理不尽に命を奪われた人を大事に思っていた人達が泣いたり怒ったりする姿がとにかく悲しくて、「この世に正義はないのか!」と叫びたくなるような作品ですね。
「法で人は守れない」という事実に直面して人が壊れて行くとか、個々のエピソードは必ずしも斬新ではないですが、成田良悟さんの『デュラララ!!』を彷彿とさせるような狂気を孕んだ独特のキャラが多いのと、衝撃的な猟奇殺人によって世の中の理不尽さがとても上手く引き立っているので、凄く面白く見られます。
この手のストーリーパターンだと、最終的に「欠陥がどれ程あっても法を軽んじるべきではない」といったような方向で話がまとまることが多い気がしますが、主人公があまりそういうタイプではないので、案外全く違うところに着地しそうにも思いますし、どうやって終わらせるのか気になりますね。
できればこのままパワーダウンせずに最終回まで行って欲しいものです。