『海棠弁護士の事件記録 消えた絵画と死者の声』
海棠さんという弁護士をしている男性が、後見人となった少女と一緒に事件を解決するミステリーなのですが、読み応えがあって面白かったです。
主人公が弁護士さんだけに、法律の知識を活用して謎を解いていくのですが、法律には詳しくないもので、いろいろと勉強になりました。
法律の解釈についての説明が何行にも渡って書かれているページも多いですが、素人にもわかり易いように書かれていて、只の説明書きの羅列でなく、きちんと読ませる文章になっているところに好感を持ちましたね。
海棠さんは謎解きをしている事件だけでなく、同時にいくつかの案件を抱えているのですが、それらの案件が思わぬところで繋がったり、解決したりして、物語に登場させたものを出しっ放しにせずに、本筋の事件も含めて綺麗に終わらせているところが特に良かったです。
依頼人にちょっと変わった人が多く、依頼人さんと海棠さんのやり取りや、心の中でのツッコミがコミカルで、思わず何度か笑ってしまったくらいユーモアがあるところも好きでした。
後見人の少女との関係の変化は既視感があるものでしたが、読後の満足度はかなり高かったです。
続編が出たら是非読みたい一冊でした。
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