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『浜村渚の計算ノート』

ここ数ヶ月、青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート』シリーズをこつこつ読破しています。

凶悪犯罪の元凶とされた数学が教育の場から排斥された日本で、数学の地位の向上を目指して活動する数学テロリスト達に、数学大好きな渚ちゃんという女の子の力を借りた警察の皆さんが立ち向かう物語ですよ。

謎解きに数学が絡むミステリーなのですが、私のように数学が苦手な人でも楽しく読めるところがいいですね。
テロリストの皆さんは人を殺していたりもしますが、元々は只の数学好きな人達で、中には多分人を殺したことがない人もいたりして、全体的にあまり憎めない感じですし。

エピソードによっては、ほとんど丸々不思議な夢について書かれているだけだったり、突然ミュージカルが始まったりするという、漫画っぽいところがありますから、中高生くらいの子でも読み易いと思います。

書かれている理論を全て理解できている訳ではなくても、今日の数学がたくさんの人がバトンを繋いだ結果、成り立っているものということは理解できるので、とてもロマンを感じますね。

数学が大好きで堪らない渚ちゃんの真っ直ぐな思いは、数学を利用して人に危害を加えようとするテロリスト達の目を覚まさせることすらあって、それがとても美しいのですよ。

とにかく数学の魅力がたくさん詰まっている作品なので、作者の方だったか、解説の方だったか記憶が定かではありませんが、どなたかがおっしゃっていた通り、「数学って何のために勉強するの?」と思っている方にこそ、読んで頂きたい作品だと思います。



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